結局、原発って予備電源の耐久の問題なのではないだろうか?

平成30年9月6日に発生した北海道胆振東部地震の影響は停止している泊原子力発電所にもダメージを与えました。
送電系が地震によって断絶され、外部電源が機能停止。
原発の場合は停止させていればそれでOKというわけではなく、常に冷却が必要です。
冷やすにはポンプで冷却水を送るにしろ電気の力が必要というわけで、それが絶たれてしまうと事故が発生してしまいます。

泊原発は加圧水型軽水炉ということで、東日本大震災でメルトダウンの事故を起こした福島第一原子力発電所の沸騰水型軽水炉より新しい方式で耐久性はあるのですが、外部電源というネックは一緒でしょうね。

原発事故の話題になると福島第一、いわゆるフクイチがどうしても取り上げられます。
旧式軽水炉で確かに安全性は低いとはいえ、あの事故が話題になるとき、いつもきちんと語られていないことがあると思います。

軽水炉本体は、あの地震の揺れに耐えられたこと。
問題だったのは、万が一の状況が起こった場合でも最後の手段として活躍するはずの予備外部電源が、よりによって危険な場所にあったことでしょう。
軽水炉本体の安全のために活躍するはずだった後方師団が、先に前線に突っ込んで玉砕したようなもんです。

その点に関しては、地震によってフクイチが直接ダメージを受けたみたいに報道されてばかりで、切ない気持ちになります。

さて、そんなフクイチさんより新型の我らが泊原子力発電所ですが、結局、今回の事故対応を見ておもったのが、旧式にしろ新式にしろ本体の耐久度合に関係なく、外部電源が耐えられなければ危険なことに変わりはないということでしょうね。
常に冷まし続けなければならない原発の宿命でしょうか。

完全に安全な状態にするには、廃炉として最終的にただのかつて原子力発電所だった入れ物状態にするしかないのか。
たとえ震度7でも耐える原発本体の絶対神話があったとしても、外部電源の信頼性があってのことです。
この付帯的なリスクが無視できないでしょう。

9月7日付の北海道新聞記事の図によると、苫東厚真165万kWに対して泊原発は207万kWということでした。
もし動いていたら、早々に停電は解消されていたのかもしれませんが、被害にあった外部電源が無事復旧したから言えることで、対応できなかったときの可能性もあるのでなんともいえませんね。

ただ、2日間に渡る全道停電は非常に痛かった。
特に医療機関において、電気が行き渡らないことは問題でしょう。

北海道電力では2019年に石狩湾新港発電所が稼働予定です。
道内初のLNG(液化天然ガス)発電所とのこと。
これは一号機のようですが、2030年に3号機運転開始をもって、出力合計170万kWとなります。

今回は不幸ながらも運転開始前に胆振東部地震が起こってしまいましたが、順調な運転開始を願いたいと思います。

 

 

スポンサーリンク