カラスへの誤解が解けていく

『なんでそうなの 札幌のカラス』を読みました。
著者はNPO法人札幌カラス研究会主宰の中村眞樹子さん。
カラス関連でアンテナを張ってると、結構な頻度でメディアで見かける方です。

やっぱり札幌という同じ住まいの地域情報中心だから、内容も把握しやすのが良いですね。
こういう野生動物を扱う本だと、どうしても南北に長い日本ではズレが生じてくるもの。
とくに北海道だと環境がまったく異なってくるし季節的なずれも生じるので、本州の生態メインで書かれた本だとイメージしにいことも多いです。

最初は同じ札幌でもススキノのハシブトガラスがメインだろうし、こちらの手稲区側とは状況が違うのかなと読むまえは思いこんでいましたが、手稲区や石狩市方面でコクマルガラスやミヤマガラスの目撃が高いことを知って嬉しくなりました。

著者のかたは当然このような本を出すぐらいですから、内容はカラス愛であふれています。
しかし決して愛ゆえにカラスを無条件に擁護しているわけではなく、世の中で勝手に独り歩きしているカラスのイメージに対して、きちんと事実から誤解を解こうとしているように感じられました。

考えてみれば、われわれはカラスに関しては特に思い込み先行してますね。
単に死体始末屋のスカベンジャーとして生態系のなかでの役割を果たそうとしているだけのカラス。
その行動に対し、人間の必要以上に毛嫌いしているだけ。

攻撃的なのは巣のヒナを守るためで、人間を怖がってるゆえの行動。
そして猛禽類ほど爪がするどいわけでもないので、たとえ後ろから頭上を威嚇されても、それほど恐れることはないとのこと。
ゴミ収集場のゴミは見えてるから荒らされるわけであって、見えない状態にしてしまえば問題解決となります。
カラスは目で探していて、臭いで寄ってくるわけではないのです。

カラスイメージアップ作戦としては、有利な情報ばかりなのではないでしょうか?
もともとが勝手に悪い印象を植え付けられているカラス。逆に好印象化とまでは無理でも、お互いに理解しあうぐらいにまではいけるのではないでしょうか?

あれですわ。
日頃、悪行を繰り返している少年があるときゴミを拾っているところを見られると、すごく褒められるみたいな。(笑)
いつもゴミを拾っているまじめな少年のほうがよほど立派なのですがね。
まあ、カラスもいつもゴミ拾ってるようなもんですけど。

ときには仲間を集団リンチするハトが「平和の象徴」で呼ばれるぐらいですから、カラスも何か平和的な二つ名を与えたいものです。
とにかくカラスへの愛着は増す本ですね。