『健康は「時間」で決まる』(根来秀行著、かんき出版)読了。
根来氏の睡眠関連の本は他に2冊ほど目をとおしてみましたけれど、一貫して主張しているのは健康には「生活のリズム」が最も大事ということでした。
その「生活のリズム」は「時計遺伝子」が決めています。
時計遺伝子が作り出す体内リズムがサーカディアンリズム。
それが「24時間11分」とのことです。
地球の時点とズレがありますから、毎日調整し直さなければなりません。
そのスタートとして重要なのが起床時間。
調節するのに、コントロールするしくみは主に3つあります。
- 睡眠覚醒リズム
- メラトニンリズム
- 深部体温リズム
他にも注意しなければならない要素はあるのですが、基本としては1の睡眠覚醒リズムが重要でしょう。
生活のリズムを整えるために根本となる睡眠時間。
睡眠時間が大事と言っても、短すぎるのは当然として長すぎてもダメなようです。
平均では7時間睡眠がベストとのこと。
アメリカでの110万人対象にした10年間の寿命調査で、3時間半から4時間半の短時間睡眠の人や8時間半以上の長期睡眠の人は、7時間睡眠に比べて死亡率が15%増しという結果がでたようです。
もちろん個人差があるだろうし、寿命が長いことに幸福度が比例するというわけでもありませんが。
短時間睡眠でも平気なひともいるのですが、なぜ7時間睡眠が必要だろうと疑問に思っていました。
それは、成長ホルモンが寝てる間に分泌されてカラダ(細胞)の修復・再生が行われているからです。
子供にとっては文字通り成長のための成長ホルモンは、大人にとっては新陳代謝のために使われます。
短時間睡眠では充分にその修復・再生時間が確保できないわけですね。
だったら長時間寝ている分には構わないのではないかと思いますが、それもダメのようです。
寝ている間に使われる成長ホルモンは、その元が目を覚ましたときから逆算して作られ始めます。
それが15時間。
もう少し詳しく述べると、
朝起きて、陽の光を浴びることによりセロトニン産生モードへ。
↓
15時間後にこのセロトニンをもとに眠りを誘うホルモンであるメラトニンへ変化。
↓
そして睡眠中にメラトニンが作用して成長ホルモンの分泌を促す。
当然、成長ホルモンは消費されるとなくなるわけですから、新たな1日が始まるにあたって、再度セロトニン産生となるわけですね。
そしてこれがメラトニンリズムとなります。
ですから規則正しく睡眠中に成長ホルモンに働いてもらいカラダの修復・再生をするには、7時間半の睡眠時間を組入れ、同じ時間に起床し地球の時点との11分差を修正、規則正しい「生活のリズム」が健康維持に不可欠ということになります。
睡眠時間7時間を確保しての早寝早起き。
基本中の基本として守るべきルールとなりますね。