痔よ、さらば (1) 長年イボ痔で苦しんでいたが、観念して肛門科へ【体験記】

 

とうとう別れのときがやってきたのさ。

ぐわああああああああ!!!

ズキズキする痔の痛みが止まらない。

前夜に挿した市販の座薬も効果がなくなったようす。

2016年の年末から、いや、最初の兆候から数えて20年近くになるだろう我が痔との決着をつける覚悟をしなければならない時がやってきたのでした。

長いあいだ、痔を放置してきた理由。おそらく多くの皆さんと一緒。肛門科を受診するのが恥ずかしいから。

だって、お尻の穴を見られるんですよ。そりゃ抵抗ありますって。

しかし、さすがに痛みには勝てませんでした……。

私のケースは内痔核。

実際に内部のイボ痔が巨大化して排便するたびに、ひょっこり顔を出していました。

いや、ひょっこりなんて表現はやさしすぎましたね。
グワーッってかんじで飛び出ます。
そして、そのたびに押し込める作業が日課となっていました。

ただ指で押し戻すだけ。
怖くて見たくもありません。現実逃避ですね。

幸い、近所に評判の病院があったので、早速電話を架けます。

ほら、歯科医院だと必ず電話予約必要なところばかりじゃないですか。でも、問い合わせると初診でも予約の必要はないとのこと。

伺ったのは、ちょうど昼休み中で待合室には誰も来ていませんでした。

初診ということで状況をいろいろ書かされたのですが、質問項目のなかに「いつ頃から症状がありましたか」という項目がありました。

少しばかり悩んだあげく、5年ぐらい前からと記入。でも本当は20年近く痔との付き合いになるのは先ほども書いたとおり。

「そんなところで、ごまかしてどうする!」心のなかで自分につっこんだのでした。

午後の問診が始まるころ。
いままでひとり待合室でポツンと待機していたところに、続々と他の患者さんが通院してきました。

「ああ、この人も、あの人も、自分と同じように痔の悩みを抱えていたのだなあ」と、なんだか不思議な連帯感を勝手感じて、ほんのりと気持ちがなごみます。

どうやら退院後の消毒処置のための通院患者たちが先に呼ばれているようで、10名弱のあと私の名前が呼ばれました。

診察室に入ると、どうにでもなれって気持ちになるよね。

「墓場まで持っていくつもりでしたが、諦めました」

問診で症状を説明して最後にそのように先生に伝えると、壁側にある診察台に横向きに寝てお尻を晒すよう指示される。

壁には張り紙が一枚。

痔はこわくない

人間は解らないものに恐怖を感じやすい。
そりゃあ自分のカラダで肛門なんて、鏡なしで直接見るのが困難な最も遠いところだもなあ、と一瞬しみじみと考える。

「はい、診ますね。はい、結構です」

え? もう?

触診のあと肛門鏡を挿されて中を診られたのだろうけど、体感時間5秒ぐらいでした。

早すぎない?
私の、この荒ぶる痔核をそんな数秒で確認できるの?

「3箇所、内痔核がありますね。この大きさですと手術ということになります」

まあ、そりゃプロですものね。
わかりますよねえ。
というか、3つも痔核があったのか。

受診したのが金曜日だったので、月曜日に入院、即手術という日程に決まりました。
訳あって時間はある。(笑)

隣の処置室に移動して採血やらレントゲン撮影やら検査をし、手術前日の食事制限など入院に関する説明を受けたのでした。

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